VJソフトをVDMXに乗り換えるという話の前に
VJとは
まずVJってなんぞや。VDMXってなんぞや、というところから。
VJとはVisual Jockey (またはVideo Jockey)の略で、いわば映像で演出をする人。DJが音楽でVJが映像。話は外れるけども照明演出のことをLJ (Light Jockey)というそうな。
ビデオジョッキー(video jockey)または ビジュアルジョッキー(visual jockey)とは、映像を素材としてディスクジョッキー(DJ)と同様の行為を行う者を指す。略称は「VJ」。
wikipedia : https://ja.wikipedia.org/wiki/ビデオジョッキー
なんにせよ、VJとはなんぞやという人はまず前提条件を満たしていないので、記事を読む前にYoutubeなんかで「VJ クラブ」と検索すると大体どういうことをするのが映像演出かということがわかると思います。
クラブ事情に関して言えば、昔は映像出力側(光量とか解像度とかリアルタイム性とか)の問題もあり照明演出に比べてあまりメインの演出効果ではなかったのですが、ここ最近の(ここ数〜十数年の)機材性能の向上によって、もはや照明演出よりも重要度の高い演出効果にすらなっているように思います。
そんなVJですが、今のメインはパソコンから映像を制御するというのが一般的で、そのオペレーションソフト(制御ソフト)が色々なメーカーから出ています。
昔からあるメーカーが出しているソフトだったり、最近ひょっと出にも関わらず(後出しによる優位性のおかげで)人気が出ているソフトなど様々あります。
VJオペレーションソフトは、各々対応しているOS(Windowsかmacか)や、相互に使用できる機能(どのようなコントローラーと接続できるか)などの違いがあります。どれも基本的には映像をリアルタイムに処理し(エフェクトをかけたり)、出力をしたりすることはできるのですが、その方法だったりの点でちょっとずつ差異があります。そのためVJさんによってソフトが違っていて「やれこのソフトが使いやすい」だの「あのソフトはダメだ」だのの議論が日々交わされています。
そんなVJソフトですが、現在主流で使われているソフトは以下のようなもの。挙げているものの他にも様々なソフトがあるので、興味がある人は調べてみてはいいかと思います。
列挙しますが、AtoZで並べているので、特に上位にくるものが使いやすいとかそういう意図はないです。
ArKaos – GrandVJ 2 / Grand VJ 2 XT
Garagecube – Module8
Resolume – Resolume 6 Avenue / Resolume 6 Arena
VIDVOX – VDMX5
モバイルPCの制約
現在の自分のモバイル環境はmacbook pro 13’で、VJをやる性能的には及第点を満たすのにあと3割くらい足りない、くらいのところです。
実際にオペレーションするのに必要なパソコンのスペックは、VJソフトで何をどこまでやりたいか、他に同時起動させているソフトがどれだけの処理をしているか、などによって変わってくるので一概には言えません。
しかしながら一番怖いのは現場で使用中にパソコンの処理が追いつかなくなったり、最悪OSを巻き込んで落ちる(負荷がかかり過ぎて電源を切らないといけなくなる)ような状態です。これを避ける必要は確実にあります。
具体的に必要なスペックは各種ソフトの公式サイトに「最低条件」と「推奨条件」が書いてあります。
しかしながら推奨条件はまあそのソフトを最大限に使いたい場合で、例えばプロジェクションマッピングやマルチモニターアウトなどの場合も含まれます。
個人でVJをする場合、マッピングする場面なんてそうそうに出会うことはなく、推奨条件ですらオーバースペックである可能性はあります。
というわけで、VJをやるためにはそれなりにスペックは必要です。
とりあえずお金あるわ、という人間は今売っているPCをとりあえず一番いいパーツをひたすら積んでいけばいいのですが、普通の人間には難しい話です。
さてVJをするのに新しくPCを買ってもいいわけですが、今のMacBook Proも使えないわけではないので新規購入はもう少し先に送りたいというのが本音です。
し、最近のMacBook ProはeGPUと呼ばれる外部拡張できる方法があったりと必要なところだけグレードアップさせることが可能です。
ので、僕は今回はこっちの方法をとり、加えてVJソフト側でもできる限り負荷のかからないソフトを使用したい、というところです。
とまあそんなことを考えたり、それ以外のことを考えたりしていると、今使っているResolumeよりもVDMXの方がやりたいことが確実にできそうだなあというのをひしひしと感じ始め、ついにVDMXに手を出そうと思ったという次第です。
VDMXとは
VDMX5はmac専用VJソフト
VDMX5はmac専用のソフトですので、残念ながらWindowsを使っている人はお帰りください。となりますが、僕はあいにくのmacユーザーだったので問題なく使えそうです。
VJに関して言えば先述の通りPCスペックはあるに越したことがないので、一般的なスペックのmacを使っていて大丈夫なのかなという不安はあるものの、mac専用ということはつまりmacのシステムに最適化されているということ。実際に使ってみて判断、というところです。
VDMXの醍醐味はそのカスタマイズ性
VDMXはいわゆる(?)モジュラー機構に近い形式を取っていて、カスタマイズ性がとても高いソフトです。
つまるところ、初期状態では満足に動かすことすらままならないけども、自分好みに設定していけば、基本的にはやりたいことは出来るということです。
ほかのVJソフトでは「やりたいことは簡単に設定できたけども、ここをこうできれば最高に使いやすいのになぁ」というようなことが起きるのですが、VDMXだとその痒いところに手が届くということです。
もちろん出来ることには限界はありますが、その限界がほかのソフトに比べて限りなく高いところにある、ということです。
VDMXの日本語チュートリアルは限りなく少ない
ただし、その拡張性の高さが原因なのか、ユーザーフレンドリーさに欠けるために新規ユーザーが入りにくい、というのがあります。
そのためユーザーがあまり多くなく、つまるところ(日本語の)チュートリアル的なものがあまり多くありません。
一部の有志のユーザーがVDMXの使い方やカスタマイズの仕方などを書いた記事やYoutube動画などを挙げていますが、やはり他の代表的なVJソフトに比べて少ないという印象。
VDMXをさわる。
VDMXの公式サイトはこちら。
とりあえず、「Download VDMX5」からアプリをダウンロード・インストールすれば基本的なことは使えるようになります。ライセンスアクティベーションなので、ライセンス登録しない限り体験版として、ライセンス登録すると製品版として機能します。
基本的にプロジェクトの保存ができないだけで、機能的には製品購入版と同じように使えます。体験版には使用期限もないので、とりあえず触り倒してから製品版を購入することをお勧めします。
購入価格は 349USD(日本円にして約4万円弱)とすこしお高めですが、例えばエデュケーションライセンスであったり、その他いろんな方法で割引価格で購入できるので、急ぎでなければセールを待ってみるという手もあります。
まとめ
というわけで、とりあえず体験版をひたすら触りまくってからVDMXに移行するかどうか決めようと思います。