はじめに
VDMXだけでいろいろと完結できるのですが、他ソフトと組み合わせることでさらに快適にVJソフトを使うことができます。
他ソフトとの通信規格はいろいろとありますが、よく使用しそうなものを中心に調べたこととかやってることをまとめていこうかと。
別ソフトとの同期
映像 (Syphon / NDI)
ソフト間での映像(と一部音声)の同期にはSyphon (macOS)とNDI (macOSおよびWindows)が使えます。二つの規格を調べてみるとわかりますが全然違うものですが、体感として(実際の操作)はほとんど変わりません。
SyphonもNDIもどちらもローカルネットワーク(しいては同一PC内)での映像のやりとりをする規格です。
SyphonやNDIのVDMXへの取り込みは、Workspace InspectorのLayerタブから取り込みたいレイヤーを選択、Layer Source画面の「Use Source:」のリスト一覧に「Syphon」や「NDI」があるので、受け取り元のソフトを選択すれば取り込むことができます。
もちろん、Media Bin上に映像素材と同様にSyphonやNDIをクリップとしておくことが可能です。
Media Bin上で右クリックをし、「Add Clips From Built-In Sources」からSyphonやNDIの受け取り元を選択すれば、Media Bin上にクリップが置かれます。
逆に、別ソフトに映像を送るには、「Syphon Output」のプラグインを使います。workspace InspectorのPluginsタブからSyphon Outputを呼び出し(項目 1)、そのプラグインを選択すると、どのレイヤーをSyphonの送り元の映像として送るかを選択することができます(項目 2, 3)。
NDIで送り出したいときも同様に「NDI Output」のプラグインを使えば送り出すことができます。
コントロール (MIDI / DMX / OSC)
MIDI (Musical Instrument Digital Interface)は元々音楽における楽譜情報 (例えば ドレミをどのタイミングでどのような強さで奏でるか) を音楽機材や音楽ソフト同士でやりとりする規格です。その情報をボタンのON / OFFなどといった情報として使い直すという方法で同期させます。
MIDIは基本的にMIDIケーブルを利用したものからスタートして、USB-MIDIと呼ばれるUSBケーブルで通信するもの、Blu-MIDIやMIDI-WiFiと呼ばれるBluetoothやWiFiを利用した無線で通信する規格があります。基本的にはUSB-MIDIでMIDIコントローラーと通信するのが多いです。
DMX (は照明用の規格です。こちらもMIDIと同様に本来照明を動かすための情報をボタン情報に置き換えて使い直しています。
DMXには基本的にはDMX512と呼ばれる規格を利用していますが、それを拡張した規格である(正確には違うけど)ArtNetを利用できます。ArtNetもローカルネットワーク上でやり取りできるので、ケーブルレスで通信できます。
OSC (Open Sound Control)はおそらく一番馴染みのない(というか、日本語であまり情報が得られない)規格です。OSCはMIDIやDMXと違い通信番号を自分で決めることができるので複数の機器やソフトと同期する際にバッティングが起こりにくいというところでメリットがあります。
MIDI、DMXやOSCを外部からVDMXに受け取る際は、受け取りたいところ(Control Surfaceのボタンなどが主になると思うけども)、を選んでUI Inspectorの「Receive」から、Detectを「MIDI」などに選んだあとに、送信元から送りたい信号を送ると、設定が完了する。
「Enable Echo on all Receivers」にチェックが入っていると、逆に選んだMidi信号と同じ信号を送り返(Midi Out)したりすることができるので、MIDIコンを光らせたいときとかに押せば良いと思います。
逆にVDMXから他ソフトに信号を送る場合はUI Inspectorの「Sending」から送りたい信号を選んで送ることができます。
オーディオ (Ableton Link)
Ableton LinkはAbleton Link対応ソフト上でBPM情報を同期するための規格です。Ableton Linkは比較的新しい規格で、どんどんと対応するソフトが増えつつあります。
Ableton Linkの同期は簡単で、同期させたいClockプラグインのWorkspace Inspector上にあるClock Settingsにある「Ableton Link:」のEnableボタンをオンにするだけ。
Ableton Link自体が内部処理の性能が高いので、ユーザー側が行う設定が少ないのは良いですね。
まとめ
VDMXと他ソフトを連携すると、VDMXだけではできなかったいろんなことができるようになります。
ただ、PCスペックとの相談になったりするのでなんとも言えませんが…
今回は各々の通信のさわりだけを紹介しましたが、おいおい別記事にてひとつひとつ詳しく詰めていければと思います。
ではでは。