QLC+ Tips フラッシュボタンとファンクション

  • 2021.01.26
  • LJ
QLC+ Tips フラッシュボタンとファンクション

はじめに

QLC+でのバーチャルコンソールにおける基本的なウィジェットのひとつ「ボタン」。ボタンの機能としてファンクションをオンオフすることができますが、フラッシュボタンはシーンのみにしか対応していません。ボタンを押している間だけオンとなるフラッシュは使い勝手が良いので、シーン以外のファンクションに対しても使えるようにしたいです。
今回はその方法を記載していきます。

フラッシュボタンとファンクション

概要

QLC+におけるボタンウィジェットの「押された時の動作」に対して、基本的には「ON/OFF切り替え」を使います。これは一度押すとON、もう一度押すとOFFになるというものです。対して「フラッシュ」はボタンを押している間はON、離すとOFFになるという仕様です。フラッシュはシーンのみに対応しており、シーンファンクション以外のファンクションをアサインして「フラッシュ(シーンのみ対応)」を選んでもボタンは正常に機能しません。フラッシュは便利な機能なので、コレクションファンクションを初め、チェイスファンクションやシーケンスファンクションに対応させたくなります。

このフラッシュをシーン以外のファンクションへ対応させるためには色々な機能を経由させて擬似的に行う必要があります。そのために必要な機能は「フェーダーのプレイバック」機能と、「Loopback入出力」機能の2つです。
これらの2つの機能の解説を交えて、フラッシュボタンを実装していきましょう。

フェーダープレイバック

QLC+のバーチャルコンソールにおけるフェーダーウィジェットの機能のひとつ、「プレイバック」です。
プレイバックはフェーダーをファンクションの再生に使用する場合のモードで、フェーダーの値が0の時にはファンクションをOFF、フェーダーの値が1以上の場合はONにします。またアサインしているファンクションが数量的な変化を伴うもの(例えばDimmerを設定するファンクションなど)の場合はその数量値をフェーダーに同時に組み込まれます。DJミキサーのフェーダースタートのようなものですね。

フェーダーのプレイバックはON/OFFの切り替えがトグルライクでないことと、プレイバックはシーン以外のファンクションもアサインできることから、このフェーダーをボタンで制御できればシーン以外のファンクションもフラッシュできるというわけですね。

Loopback

QLC+の入出力設定のひとつ、Loopbackです。LoopbackはQLC内部でDMX信号をやり取りするためのものです。Loopbackは最大で4系統(4 Universe)分あり、あるUniverse出力にLoopbackを選び、別のUniverse入力に同じLoopbackを選ぶことで、出力されたDMXアウト信号を別のユニバースにDMXインします。
DMX INができるということは、オペレーションソフトにおけるDMX信号で制御(MIDIコントローラーと同様にDMXコントローラーで制御)するのと同様の方法が使えるということです。

特にDMX INの信号をQLC内部で指定(別のUniverseで出力できる)ということは、QLC+内部で作ったファンクションで、別のファンクションを操作することが可能になるということです。

フラッシュボタンの実装

Loopbackとプレイバックの合わせ技の大まかな流れは上図のようなものです。

入出力設定

まずは入出力設定です。
今回はUniverse 1に動かしたいフィクスチャー機器があるDMX Universeを、Universe 2にLoopbackのための擬似的なDMX Universeを設定しています。もちろん、多数のUniverseを使用している場合はUniverseを追加してLoopback専用のUniverseを作ってやればUniverseチャンネルはどこでも大丈夫です。

Loopback専用のUniverse (今回はUniverse 2)には、Loopbackの入力および出力のどちらにもチェックを入れます。こうすることでUniverse 2に出力されたDMX信号はシステム内でUniverse 2に入力されるようになります(上図の波線)。
このとき、Universe 2にはパススルーのチェックを外す必要があります。パススルーにチェックが入っていると、Universe 2に入力された信号がそのままDMX信号として出力されてしまうようになります。Loopback処理させているので無限ループができてしまうため誤作動が起きてしまいます。パススルーにチェックを外すことで、Universe 2に入力された信号はQLC+の操作のために使うことができますが信号として出力はされません。

機器設定

機器設定です。
機器設定には、Universe 1には実際に動かしたい照明機器のフィクスチャー登録(つまり普通にQLC+で制御するための機器設定)をします。Loopbackとして使用するUniverse (Universe 2)には、Loopback制御としてDMX信号を送らなければいけないのでDMX信号を送るための擬似的なフィクスチャーを登録します。ここでは一番単純なDMX信号を送ることができる機器として1 Chからなるディマーを登録しています。もちろんDMX信号を送れればなんでも良いので機器はなんでも良いです。

ファンクション設定

ファンクション設定です。
ファンクションには、フラッシュさせたいファンクション(今回は「Moving RGB Cycle」)の他に、LoopbackのUniverseのDMX信号を送るためのトリガーファンクション (Loopback Trigger)を作ります。
Loopback TriggerはDMX信号を出力するためのファンクションなので、LoopbackのあるUniverseのDimmerに対してDMX 255を送るようにします。つまり、機器は「Universe 2 – Dimmer (DMX Channel 1)」のみを指定し、「Dimmer 255」にします。このトリガーファンクションは基本的にはフェードイン・フェードアウトの設定は必要ありません。

バーチャルコンソール

バーチャルコンソールの設定です。
バーチャルコンソールには「Loopback Trigger」用のボタンと、実際に動かしたいファンクション(「Moving RGB Cycle」)のプレイバックフェーダーを用意します。今回はさらに確認のために「Moving RGB Cycle」のボタンを用意していますがこれは実際の動作には必要ありません。

「Loopback Trigger」ボタンはボタンモードとして「フラッシュ (シーンのみ対応)」にします。これによってフラッシュボタンとして作用します。
プレイバックフェーダーには「プレイバックモード」にしてフラッシュさせたいファンクションを選びます。また、外部入力として「Loopback (Universe 2) Ch.1」を選択します。入出力設定の際にプロファイルを作っている場合はリストに出てきますが、作っていない場合は手動で「1」(LoopbackさせているDMX Channel)と入力します。

以上の設定から、「Loopback Triggerを押すことでUniverse 2 Channel 1が255の値を取りUniverse 2に出力」され「Universe 2に出力されたDMX値がUniverse 2に入力」され、「Universe 2の入力に従ってMoving RGB Cycleがプレイバック」されます。
実際にオペレーションする際はプレイバックフェーダーは見える位置に置く必要はないのでフレームにまとめてしまって非表示させてやることで見栄えがまとまります。

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