AKAI APC40mk2 分解レポート

AKAI APC40mk2 分解レポート

概要

分解修理

準備

プラスドライバー

プラスドライバー、AKAI APC40mk2のネジは全てサイズ +02でいけます。
僕は最近誰かしらの影響で、ANEXのラチェットドライバー、スタービーミニスタ60 と Vesselの剛彩ビット の組み合わせを使用してます。使い勝手はとても良いです。

レンチ

小型レンチがいいです。普通の六角レンチでもいけますが、縦向きに使えるものでないと使いにくいと思います。今回は(出すのが面倒くさかったので)小型のモンキーレンチを使用しましたが、ソケットレンチを使うと楽です。

ピンセット

なくてもいいけどもあると便利です。
僕はHOSANの先端が曲がっているP-882を好んで使っています。
精密機器を扱うので、絶縁タイプのやつを使ってもいいかもしれないですね。

はんだごて / はんだ

分解修理に必要です。

やってみて分かったのですが、ラグ接続のホールが多いので基板のランドがとても剥がれやすいので、あまり高温のものは使わない方が良いです(下手なだけ)。ハンダごては安物でも問題ないですが、温調ハンダゴテのほうが取り回しは楽です。

ハンダ線は特になんでも良いです。(写真に撮るのを忘れてました。

はんだ吸い取り機 / フラックス

分解修理に必要です。
ハンダの除去ははんだ吸い取り機とかはんだ吸い取り線とかで問題なく剥がせますが、縦フェーダの固定部分はランドが大きいので、自動吸い取り機や半自動吸い取り機を使う方が楽です。
僕はサンハヤトのはんだシュッ太郎を使用しています。

また、はんだを剥がす際にフラックスを塗ると綺麗に取り除けます。

洗浄用アルコール / キムワイプ

基板洗浄用とフラックス除去用に使います。
無水エタノールを使ってもいいですが、ここではIPAで簡略化しています。洗浄だけなので。

また、ジャバジャバとアルコールぶっかけでも良いですが、キムワイプに染み込ませてやると節約できます。ティッシュペーパーよりキムワイプ。

分解(本体の開封 / 基板取り出し)

まず表面の突起物を外していきます。
ロータリーエンコーダーのキャップ (18箇所)とフェーダーのキャップ(10箇所)を取り除きます。
エンコーダーのキャップは全て共通なので場所を控える必要はありません。縦フェーダーも同様。クロスフェーダーは縦フェーダーと形が違いますが、縦横交換できないので混ざったとしてもすぐにわかります。今回の修理品はChroma Capに変わっていますが、純正品の場合フェーダーキャップの白い部分が違うので簡単に識別できます。

キャップを取り外すと、エンコーダー部分にナットとワッシャーで固定されているのでこれを外していきます。
エンコーダーのうち「Tempo」と書かれているクリックタイプのエンコーダーにはナットとワッシャーで固定されていないので、計17箇所あります。

本体裏側のネジをドライバーで外していきます。計14箇所。

裏側を開封すると基板が出てきます。基板は2枚構成となっていて、メイン基板と電源/USB端子接続用の基板があります。これらはフレキシブルケーブルで繋がっています。

電源/USB用の基板のネジを取っていきます。計3箇所。

基板を裏返すとフレキシブルケーブルを接続しているコネクタが見えるので、接続しているコネクタの黒い部分をピンセットで引っ張るとフレキシブルケーブルが取り外せます。

メイン基板に付いているネジを外します。全部で13箇所ありますが、そのうち基板中央あたりにある1箇所だけは基板シルクにマークがされておらず、ネジに絶縁ワッシャーが挟まっているので注意します。

メイン基板を持ち上げた際に、本体側に付いているLEDランプ用の透明部品が小さいので不注意でなくしやすいので気をつけて基板を持ち上げます。

部品の取り外しと付け替え

今回は縦フェーダーの不調なので、フェーダーを交換していきます。フェーダーは裏側からスルーホールで半田付けされているので、そこの半田を除去していきます。フラックスを少量垂らして、はんだ吸い取り機で吸い取ります。綺麗に吸い取れたらフェーダー部品を外していきます。
新品に交換後半田付けします。この辺りは割愛。

今回は縦フェーダーを全て交換しました。

本体戻し

分解の手順と逆順で本体に戻せば完了です。

パーツ類

縦フェーダー

今回分解修理したやつ。
縦フェーダーはAlps/Alpine社の「RS45112A6A05」が規格にあったものです。ガワが純正品とは違うのでこれではないと思いますが、調べてもこの規格のものはAlps社のやつしか出てこなかったので、これで代用しています。

mouser : https://www.mouser.jp/ProductDetail/688-RS45112A6A05/
datasheet : https://www.mouser.jp/datasheet/2/15/Alps_RS45112A6A05_Drawing-1920150.pdf

横フェーダー

規格を調べるのすっかり忘れてました…失念。
Alpha社製のフェーダーですが、型番は調べてません。

ロータリーエンコーダー

ロータリーエンコーダーはノンクリックタイプのものとクリックタイプのもので規格が違います。今回不調のものはなかったので規格は調べてません。
ノンクリックのものは4つ足、クリックタイプのものは3つ足です。ノブはどちらも10mmのものです(ネジ部含まず)。本体部の高さは違いますが、ネジ部分の高さが違うので合計の高さはどちらも同じです。

(ノギスの測り方間違えてるぞと言われそうですが、写真に収めるためにこんな測り方してます。)

ボタン

ボタン部分はスルーホールタイプのタクトスイッチです。ボタン部分高さは多分0.4mmです。本体高さは3.2mm。
ついでにボタンキャップはツメで基板に固定されているので爪を押せばすぐに取れます。

ガワ

本体ガワにはLEDインジケーターの部品とシリコンパッドがあります。
パッド部分の反応が悪くなったら基板側だけでなくシリコンパッド裏の電導性ゴムもアルコールで洗浄すると反応がよくなると思います。擦り過ぎには注意。

まとめ

ついでながら、メーカー修理に出すと1.5万円くらいかかるそうです。

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